
「青年招へい事業」は、独立行政法人国際協力機構(JICA)が発展途上国を対象に実施する技術協力の一環として、これらの諸国の国づくりを担う青年を専門分野別に日本へ招き、それぞれの分野について学ぶとともに、日本の同世代の青年と交流を通じ相互理解を深め、信頼と友情を築くことを目的としている事業です。合宿セミナーは、「青年招へい事業」都内プログラムの一環として、招へい青年が同分野の日本人青年と2泊3日を寝食をともにしながらスポーツ交流、ディスカッション、交流パーティーを通して両国の「教育」について意見・情報交換などを行うプログラムです。当財団は、国際協力機構(JICA)より政府事業として委託され、平成13年度より毎年、青年招へい事業の受入れを実施しております。
平成18年12月1日(金)~3日(日)に開催された中国・教育グループとの合宿セミナーに参加する機会を与えていただき感謝申し上げます。いくつか感想等を述べさせていただきます。
中国は広い国土と13億といわれる人口、50以上の民族が同居しているといわれ、長い歴史と伝統ある国でありますので、中央の教育方針がどのように地方まで徹底されているのかに興味を持って参加させていただきました。
中国では、都市部と地方の学校間較差が大きく、地方では学校へ通えない子も1割程度いるとのこと。また、貧富の差が激しく十分な教育を受けることのできない子もいるとのことでした。学歴がないと、安定した収入が期待できる職業には就けない中国では、一人っ子政策も手伝い、裕福な家庭においては幼少の頃から英才教育を施すなど、競争社会の姿を伺うことができました。現在の中国では、義務教育の機会均等化を図る必要があり、我が国と同様に大々的な教育改革が進められ、本年度には新しい義務教育法が成立し、国民が揃って平等に教育を受けられるように取り組んでいるとのことでした。10数年前の我が国における学歴偏重の時代と似ている印象を受けました。
教員という立場は、国民からは尊敬され、かなり高い地位にあるとの事でしたが、そのような中で、見習わなければならないのが、教員の評価の件です。我が国では教員の質の低下が指摘され、指導力不足教員をいかに排除していくかが重要な問題になっており、教員の評価に関しては、最近になってやっと自己目標を定めての、プロセスを大事にした評価方法が取り入れられるようになってきたところです。中国ではすでに、自己評価や管理職による評価だけでなく、相互評価や児童生徒、保護者による評価なども取り入れられているとのことでした。
中国の青年たちが、日本の青少年を見て一様に驚いていたのが、性の解放と女子高校生の短いスカートや化粧、高校生の授業態度などでした。中国においては考えられないとのこと。羞恥心が薄れ、自分の将来に対して意欲をなくしている日本の若者を情けなく思い、責任を感じているところです。
スポーツ交流では、日中混合のチームでバレーボールを行いましたが、日中の国民性の違いがはっきりと現れたように感じます。バレーボールの経験が浅いということもあるのでしょうが、中国の若者たちは、チームプレーというよりも自分でどうにかしなくてはという気持ちを強く表していました。
最近の中国の発展はめざましく、数年のうちに世界有数の経済大国になっていくものと思いますが、伝統的な思想や徳育を大切にしつつ、地方にまで目を向けた発展を望みたいと思います。
今後も両国で互いに情報を交わし合いながら、相互の発展、さらなる友好交流を図ってきたいものです。
終わりになりますが、この合宿セミナーに際し、友好的に交流していただいた中国教育グループのMr. Chen Chuan団長はじめ団員の皆様、日本国際協力センターの山本様、張様並びに共立国際交流奨学財団の崔様、石黒様、それに通訳の皆様には大変お世話になりありがとうございました。
また、参加させていただける機会がありましたらよろしくご指導をお願いします。